海外ミステリー「わらの女」カトリーヌ・アルレー1956年仏

わらの女 【新版】 (創元推理文庫)

わらの女 【新版】 (創元推理文庫)

カトリーヌ・アルレー(ウィキ)

内容(アマゾン)
翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方、家族係累ナク…”というものだった。こうしてすべてが始まった。そして彼女は億万長者の妻の座に。しかしそこには思いも寄らぬ罠が待ち受けていた。精確無比に組み立てられた完全犯罪。ミステリ史上に燦然と輝く傑作。

登場人物
ヒルデガルデ・マエナー:ハンブルグ生まれの女性
カール・リッチモンド:ドイツ系アメリカ人の大富豪
アントン・コルフ:リッチモンドの秘書
マーティン・ローマー:アメリカ人の警部
スターリング・ケイン:ニューヨーク市警の警視

ちょいコメ
戦争に遇い家族を失い、貧乏で夢も希望もないアラサーのヒルデガルデがヒロイン。
そのヒルデガルデと大富豪の秘書アントンは、大富豪の老人リッチモンドの遺産を相続しようと計画する。
どのように話を進めるのか、わくわくしながら読んだ。

以下ネタバレ





















2人とも大富豪の遺産を狙う悪人とはわかっていたが、読んでいる途中あたりから、私はヒルデガルドに感情移入してしまった。
アントンは、最初の結婚相手募集の新聞広告を出したときから、完全犯罪の計画をしており、駒として、
ヒルデガルドを利用しただけなのだ。
殺人容疑で苦しんだヒルデガルドはその後、容疑をはらし、彼女を陥れたアントンに復讐するのかと思ったら、
予想に反し、獄中で自殺してしまう。そしてそのまま、アントンが遺産を手にしたところで物語は終わる。

私としては、ヒルデガルドのその後の復讐劇が見たかったけど、ここで終わったことでびっくりで印象に残ったし、
計画を進行してるときのスリルが楽しかったので、まあ満足かな。
さすがに名作といわれるだけある。