国内小説「ユリゴコロ」沼田まほかる 2011年

ユリゴコロ

ユリゴコロ

沼田まほかるウィキ

内容(アマゾンより)
亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!

大藪春彦賞 

登場人物
亮介:主人公
洋平:亮介の弟
千絵:失踪した亮介の恋人
美紗子:亮介の母

ちょいコメ
「このミス」「ミステリが読みたい」など、2011年のベストにランクインしている「ユリゴコロ」に目をひかれる。
ユリゴコロ」とは一体何なのか?図書館に予約して数カ月、やっと順番が回ってきた。

冒頭から中盤まで読んで、やっとユリゴコロの意味を知る。
告白文の作者の「言葉に言い表せないもの、拠り所、好きな事、満たされる事」の名称のようだ。
殺人にとりつかれた告白文は、精神に異常があり、とても恐ろしい。
途中で気持ち悪くなるが、この手記を書いたのは誰か、主人公とどう関係してくるのかと気になり、
一気に読ませられた。

作者は物語を上手に畳んだが、事故にみせて殺された人たちの悲しみ、
父母の気持ち、殺人をユリゴコロとする人間の更生なんてあるのかな?などと、読後
色々考えさせられた。後味が悪い。