海外小説「エアーズ家の没落」下 サラ・ウォーターズ 2010年
- 作者: サラ・ウォーターズ,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/09/18
- メディア: 文庫
- クリック: 22回
- この商品を含むブログ (42件) を見る
内容(アマゾンより)
相次ぐ不幸な出来事の結果、ハンドレッズ領主館はますます寂れていた。一家を案じるファラデー医師は、館への訪問回数を増やし、やがて医師と令嬢キャロラインは、互いを慕う感情を育んでいく。しかし、ふたりの恋が不器用に進行する間も、屋敷では悲劇の連鎖が止まることはなかった…
ちょいコメ(ネタバレになるかも)
この物語を昨日読み終えた。すっきりしない。
上下館の表紙を並べて、ハンドレッズ領主館の全貌も見た。まさに幽霊がいても不思議でない屋敷。
ファラデー医師の思い出、ロデリック、エアーズ夫人、そしてキャロラインに起こった出来事も考えた。
なぜ作者は原題を「The Little Stranger」にしたのか。
ずっと思ってた「物語のオチ」・・・
そうか〜わかった・・・ような気がする。
ファラデー医師とキャロラインの破談の会話以降を再読。
なぜキャロラインが急に態度を変えたのか。
が、急にではなかったかもしれない。彼女は不器用だが、聡明だった。
「ベティが来てからの謎の出来事」続きで、エアーズ家の人々は狂っていったのだ。
とても怖い、とても悲しい物語だった。
が、とても引き込まれる物語ではあったので(私のツボ)
解説にあったスティーブン・キング作品、
ゴシック・ロマンス作品のエミリー・ブロンテ「嵐が丘」
シャーロット・ブロンテ「ジェーン・エア」
ヘンリー・ジェイムス「ねじの回転」ダフネ・デュ・モーリア「レベッカ」
古典のディケンズ、ウィルキー・コリンズ
など今後ぼちぼち読んでいきたいと思った。