国内小説「蜩ノ記」葉室麟 2011年

蜩ノ記

蜩ノ記

アマゾン

葉室麟(ウィキ)

内容(アマゾンより)
鳴く声は、命の燃える音に似て―― 命を区切られたとき、人は何を思い、いかに生きるのか? 豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり……。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説!

登場人物
檀野庄三郎
戸田秋谷
  郁太郎
中根兵右衛門
源吉
お由の方
お美代の方

ちょいコメ
直木賞受賞作品。久しぶりの時代小説。
このひとつ前に読んでた作品が、世紀末モノの上巻で、私の頭の中がパニックだらけだったので、
なかなか頭の切り替えができず、読み初めはなんて静かに流れる物語だろうと思った。
が、状況や背景がわかってくるにつれ、庄三郎の気持ちに感情移入し、
どうにかして、秋谷の切腹をやめさせられないものか、庄三郎頑張れ!と、応援。
が。。。秋谷の、武士としての潔さに感服。なんてかっこいい生き方なのだろう。
随所に「親とは」「家族とは」「上に立つ者は」の道理が記されていて、いちいち納得した。
時代モノもたまにはいいな。
次には是非、巨匠、藤沢氏や山本氏の作品を読みたいと思った。