海外小説「解錠師」スティーヴ・ハミルトン 2011年米

解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

スティーヴ・ハミルトン

内容(アマゾン

アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞/英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞/バリー賞最優秀長篇賞/全米図書館協会アレックス賞】  けっして動かないよう考え抜かれた金属の部品の数々。でも、力加減さえ間違えなければ、すべてが正しい位置に並んだ瞬間に、ドアは開く。そのとき、ついにその錠が開いたとき、どんな気分か想像できるかい? 八歳の時に言葉を失ったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くことと、どんな錠も開くことが出来る才能だ。やがて高校生となったマイクは、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり芸術的な腕前を持つ解錠師になる……プロ犯罪者として非情な世界を生きる少年の光と影を描き、世界を感動させた傑作!

登場人物
マイクル:主人公
リート:マイクルの叔父
グリフィン:マイクルの親友
アメリア:マイクルの恋人
マーシュ:アメリアの父
ジュリアン・ガナー・ラモーナ・ルーシー:犯罪者
ゴースト:金庫破り

ちょいコメ
固く閉ざされた中で、言葉をなくした幼少時の事件後と解錠師としてのふたつの過去が語られる。
ふたつの過去はだんだん近づく。。。
この物語は、自分がまるでマイクルの親になった気持ちで読んだ。
マーシュに腹を立てながら。
マイクルが解錠師として犯罪者になる過程を心配したり。
そうしなければいけなかった事情を、アメリアが理解して欲しいと思ったり。
2人の漫画での会話も、マイクルの気持ちが上手く伝わったらいいなと思ったり。
また、解錠のシーンにもとてもハラハラさせられた。
犯罪なので応援はできないと思いながら、やっぱり応援してしてしまったり。
あとがきに「少年犯罪の重いテーマ」を取り扱った作品として
ヤングアダルト世代に読ませたい一般書に与えられる全米図書協会のアレックス賞を受賞した作品と記されている。
まさにそんな、重いテーマの作品だった。